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2022.07.01お知らせ

安居長敏新校長からのご挨拶

この度、荒木校長の退職に伴い、2022年7月1日付けで安居長敏副校長が校長に就任しました。就任に際し、安居新校長からのご挨拶を以下にお届け致します。

【ご挨拶】

本日7月1日より、ドルトン東京学園中等部・高等部の校長を拝命しました。

前任の荒木先生が培ってこられたドルトニアンとしての矜持を受け継ぎつつ、自分らしさを忘れず、与えられた職責を全うしていく覚悟です。これまで以上のワクワク・ドキドキをみなさんと共有しながら、新しい学びの場を一緒に創っていきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

社会に出て41年目、62歳。そろそろ人生の集大成とも言える年齢になりました。40歳を過ぎた頃、誕生日が来るごとに1歳ずつ若くなっていく自分でいようと誓いました。人生80年と考えるなら、その折り返しは40歳。だから、41歳になったら「39歳」、42歳になったら「38歳」の気持ちで生きていくということです。なので、今は18歳。青春真っ盛りです。

多くの人が、歳をとるにつれて立場やしがらみが重なり、思考が「硬直化」していきます。これこそ「変われない大人」の典型であり、教育現場では最も避けなければならない行動スタイルだと思っています。私自身、そうならないためにも、より柔軟な姿勢で、素直な感情を失わず、可能性を追い求めて生きてきました。言っていることとやっていることが乖離している人間は信用されません。

これまで幼小中高の学校現場で通算36年、その折り返しとなる時期をラジオメディアと IT(パソコン&インターネット)業界で過ごし、身をもって過去や周囲に囚われない生き方の大切さを味わいました。また、50代後半で滋賀から沖縄、そして東京へと、生活基盤そのものを移す体験をしたことも、大きな気づきと成長につながりました。置かれた場所でゼロから関係を構築し、協働して最大のパフォーマンスを発揮する組織集団を創っていく経験は、物事を常に俯瞰して見る力の源泉になっています。

そういった中で要求され、実現してきたことは「生徒中心の学校」への改革であり、教職員のマネジメントを含めた「社会に開かれ、社会のリアルとともに歩む学校」への転換でした。それこそが、Street Smart!! 人生は「一本のレールを、一方向に、前へ上へと進んでいく」ものではありません。レールを外れることなんて、そもそもあり得ないわけです。にもかかわらず「教育」という範疇で語られる現実は、それを無視したかのような枠組みであり、強制的に用意された「大人になる」 ための準備ばかりです。

幼→小→中→高→大→就職という、年齢に応じて一年ごとに進まなければならないという無言の圧力。そのレールが「一本」しかないかのような価値観を与えられ、途中で分岐したり、ひと休みしようものなら、「それっておかしくない?」「常識から外れてるよね」「どうしてみんなと一緒にできないの?」と諭される。順序よく、前へ進んでいくことが「良くできる子」であり、優等生と呼ばれる子どもの姿だなんて、誰が決めたのでしょう。

身体も心も成長は千差万別、待っている特性がひとり一人違うにもかかわらず、みんな一緒を求められ、それに合わないと「不適応」というレッテルを貼られる。高度経済成長期に形作られた学校教育は、大人になるための訓練という名の、画一化された価値観に染め上げる作用以外の何物でもありません。私は、その違和感が苦しくてなりません。多様性とは、考え方や生き方も含め、ひとり一人が「違って当たり前」という共通認識に立 つことです。教育が「効率的・画一的」な価値観を求める場である限り、永遠にそれは達成できません。そういった学校教育からの転換こそ、いま一番必要な改革であり、私たちドルトン東京学園が向かうべき道だと考えています。

この先、学校が聖域ではなく「社会の一部」、先生が聖職ではなく「プロフェッショナルな一人」という位置づけで、広く外部の企業や地域と連携しながら、幅広い学びを提供していく存在になっていくことは間違いありません。そういう流れを考えた時、入試(=上級学校への進学)をめざす学習、将来のために準備し続ける教育といった「一方向・単線型の生き方」では、もはや対応しきれないことは明白です。

年功序列や新卒一括採用が当たり前だった時代から、学びは生涯続けていくもの、副業の推奨、転職というキャリアアップなど、多様な価値観が認められる時代へと、社会構造は確実に変化してきています。学校を中心とした学びの場においても、「多方向・複線型の生き方」を保障しなければ、これまで以上に社会との乖離が顕著になり、誰もが学校に期待しなくなるだけです。

学校とはいかなる場なのか

先生とは何者なのか

その「問い」に立ち向かい、新たな価値を生み出そうと挑戦し続けること。それが、ドルトン東京学園の果たす役割だと考えています。

ステキな生徒たち、魅力あふれる先生方、理解ある保護者のみなさま。そして、応援してくださっている多くの方々と一緒に、「自由」と「協働」を軸にそれぞれの個性を伸ばし、知的好奇心や探究心を湧き起こす「楽しい学び」を展開し、将来の可能性を広げる翼を育てていく……

開校から築き上げてきたドルトン東京学園の「この先」を、みなさんとともに考え、創っていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

2022年7月1日

ドルトン東京学園中等部・高等部

校長 安居長敏

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